技能実習生が難民認定申請をして実習を離脱した場合|監理団体の対応義務と職業紹介の限界【弁護士解説】
「技能実習生が本国の情勢を理由に実習を辞め、転居先で難民認定申請をした。その後『生活費がないので仕事を紹介してほしい』と連絡がきた」——監理団体からこうしたご相談をいただくことがあります。
このとき監理団体が迷うのは、①本人を呼び戻して生活の面倒を見ながら次の就労先を探す義務があるのか、②一般のアルバイト先を紹介してよいのかという2点です。
結論からいえば、監理団体が負う支援義務は「引き続き技能実習を行うことを希望する」実習生に限られ(技能実習法51条1項)、一般のアルバイトの職業紹介はむしろ行うべきではありません(同法27条)。本記事では、根拠条文と出入国在留管理庁の運用に即して、監理団体が取るべき手順を整理します。
- 1. 結論|義務の有無は「本人が技能実習を続けたいか」で決まる
- 2. 大前提|難民認定申請をしても、自由に働けるようになるわけではない
- 3. 在留資格が「技能実習」のままの場合にできること・できないこと
- 4. 監理団体の支援義務の範囲|技能実習法51条1項の読み方
- 5. 【2026年7月27日開始】「特定活動(難民認定等申請者用)」への変更に関する新しい取扱い
- 6. 【重要】監理団体が一般のアルバイトを紹介するのは避けるべき
- 7. 在留資格が「特定活動」に変わっていた場合の確認方法
- 8. 離脱に伴う届出義務を確認する
- 9. 本人の説明の真偽を監理団体が判断する必要はない
- 10. 監理団体が実際に踏むべき5つの手順
- 11. 育成就労制度への移行との関係
- 12. よくあるご質問(FAQ)
- 13. 監理団体の法令対応は弁護士法人iにご相談ください
- 出典・参考法令
1. 結論|義務の有無は「本人が技能実習を続けたいか」で決まる
1-1. 早見表
| 本人の意思 | 監理団体の支援義務 | 一般職業紹介 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 技能実習を継続したい | あり(復職・実習先変更の連絡調整その他必要な措置) | 行わない | 技能実習法51条1項 |
| 技能実習は継続しない(難民申請者として別の仕事をしたい) | なし | 行わない | 同項の対象外、同法27条 |
「呼び戻して生活の面倒を見ながら転職先を探すしかない」という結論まで踏み込む必要は、法令上ありません。正確には「技能実習を続けたいなら転籍支援をする。技能実習をやめて別の仕事をしたいのであれば、その職業紹介は監理団体の法的義務ではない」という整理になります。
1-2. 手順の骨格
実務上は、次の順序を守ることが重要です。意思確認より先に就労先を探し始めると、判断の前提を欠きます。
① 現在の在留資格と就労可能範囲を確認する
② 技能実習を継続する意思があるかを書面で確認する
③ 継続希望あり → 復職・転籍支援/継続希望なし → 一般職業紹介はしない
④ 一連の経過を記録として保存する
2. 大前提|難民認定申請をしても、自由に働けるようになるわけではない
ここを誤解したまま相談が持ち込まれることが非常に多い部分です。
2-1. 難民認定申請は在留資格ではない
難民認定申請は入管法61条の2に基づく申請手続であって、在留資格ではありません。申請をしただけでは在留資格は変わらず、従前の在留資格(この場合は「技能実習」)のままです。
審査中の在留のために「特定活動(難民認定等申請者用)」への在留資格変更許可を申請することはできますが、変更が許可されるまでは従前の在留資格であり、許可されたとしても後述のとおり就労できるとは限りません。
2-2. 就労制限の対象となる難民認定申請者がいる
ここが実務上もっとも重要です。出入国在留管理庁は、難民認定申請者のうち一定の類型について、申請から6か月を経過しても原則として就労を許可しない運用を取っています。
| 就労制限の対象となる類型 | 具体例 |
|---|---|
| 出国準備期間中の申請者 | 「短期滞在」「特定活動」で出国準備中に難民認定申請をした場合 |
| 本来の在留活動をやめた後の申請者 | 「技能実習」の在留資格を有する者が、実習先から失踪・所在不明となり、又は技能実習計画を終了した後に難民認定申請を行った場合 |
出入国在留管理庁の資料は、技能実習をやめた後の難民認定申請を明示的に例示しています。例外的に就労が許可されるのは、難民条約上の難民である可能性が高い場合、又は本国情勢等により人道上の配慮を要する可能性が高い場合に限られます。
したがって、本人が「難民申請をしたのだからアルバイトができる」と考えているのであれば、その理解は誤っている可能性が高いといえます。
2-3. 技能実習を続けながら申請することは可能
なお、出入国在留管理庁は「技能実習を続けながら難民認定申請をすることは可能」としています。実習を辞めなければ難民認定申請ができない、という関係にはありません。この点は、実習生から相談を受けた段階で伝えておく価値があります。
3. 在留資格が「技能実習」のままの場合にできること・できないこと
3-1. 認定された技能実習計画に基づく活動しかできない
「技能実習」は、認定を受けた技能実習計画に基づいて技能等の修得等をするための在留資格です(入管法別表第1の2、技能実習法8条・9条)。したがって、実習を離脱した者が転居先で自由にアルバイトを探して働くことは、原則としてできません。
3-2. 資格外活動許可も当然には取得できない
「週28時間までなら資格外活動許可を取ればよいのでは」と考えられがちですが、資格外活動許可は現に有する在留資格に係る活動を行っていることが前提とされています(入管法19条2項)。
既に技能実習を辞めてしまった者が、単純に資格外活動許可を得て一般のアルバイトができるようになる、という仕組みではありません。
3-3. 在留資格取消しのリスク
実習を離脱したまま在留を続けると、本人には在留資格取消しのリスクが生じます(入管法22条の4第1項)。
| 号 | 取消事由 |
|---|---|
| 第5号 | 当該在留資格に係る活動を行っておらず、かつ、他の活動を行い又は行おうとして在留している場合(正当な理由がある場合を除く) |
| 第6号 | 当該在留資格に係る活動を継続して3か月以上行っていない場合(正当な理由がある場合を除く) |
実習を辞めて別の仕事を探している状態は、第5号にも第6号にも接触し得ます。監理団体としては、この点を本人(代理人がいる場合は代理人)に伝えておくべきです。
4. 監理団体の支援義務の範囲|技能実習法51条1項の読み方
4-1. 条文は「引き続き技能実習を行うことを希望するもの」に限定している
技能実習法51条1項は、技能実習の継続が困難となった場合について、実習実施者及び監理団体に対し、引き続き技能実習を行うことを希望するものが技能実習を行うことができるよう、他の実習実施者又は監理団体その他関係者との連絡調整その他の必要な措置を講じなければならないと定めています。
義務の対象は条文上「引き続き技能実習を行うことを希望するもの」に限定されています。ここが本記事の中心的な論点です。
4-2. 本人が「技能実習を続けたい」という場合
この場合、監理団体には復職又は新たな実習先への転籍を支援する義務が生じ得ます。実務の流れは次のとおりです。
- 元の実習実施者への復職が可能かを確認する
- 復職が困難であれば、転籍の可否を検討する
- やむを得ない事情による実習先変更に該当するかを検討する
- 必要に応じ、外国人技能実習機構(OTIT)の実習先変更支援を利用する
もっとも、技能実習制度運用要領は専ら技能実習生の都合による実習先変更は認められないとしています。「転居先で働きたい」「難民申請をしたい」という理由だけで当然に転籍できるわけではありません。
4-3. 本人が「技能実習はもう続けない」という場合
この場合、本人は技能実習法51条1項の「引き続き技能実習を行うことを希望するもの」に該当しません。したがって、同項に基づいて監理団体が一般の就労先まで探す義務はありません。
本人及び代理人に対し、「現在の在留資格及び就労可能範囲について出入国在留管理局に確認し、自ら又は代理人を通じて適法な在留・就労の手続を行ってください」と通知すれば足ります。
4-4. 前提として困難時の届出を済ませておく
技能実習の継続が困難となったときは、実習実施者は技能実習法19条2項により、監理団体は同法33条1項により、遅滞なく届け出なければなりません。この届出を済ませたうえで、51条1項の措置を検討することになります。
5. 【2026年7月27日開始】「特定活動(難民認定等申請者用)」への変更に関する新しい取扱い
ここは、監理団体の対応の意味づけを変える重要な改正です。
5-1. 新しい取扱いの内容
出入国在留管理庁は、令和8年7月17日に「在留資格『技能実習』を有する者からの『特定活動(難民認定等申請者用)』への在留資格変更に関する取扱いについて」を公表し、令和8年(2026年)7月27日から運用を開始しました。
対象は、在留資格「技能実習」を有して本邦に在留する者で、技能実習を修了しておらず、難民認定等申請を行い、「特定活動(難民認定等申請者用)」への変更を希望する者です。
新しい取扱いの要件
技能実習の継続が困難となり、監理団体等が復職や実習先変更の支援を講じたにもかかわらず、技能実習を再開・継続することができなかった場合に、在留資格「特定活動(難民認定等申請者用)」への在留資格変更を認める(その他の要件に合致することが前提)。
5-2. 監理団体の支援が「変更の前提」になった
実務上もっとも重要なのはこの点です。
従来、監理団体による復職・実習先変更の支援は、技能実習法51条1項の義務の問題として捉えられてきました。新しい取扱いの下では、それに加えて、本人が「特定活動(難民認定等申請者用)」へ変更できるかどうかの判断要素にもなります。
| 支援の記録 | 本人への影響 | 監理団体への影響 |
|---|---|---|
| 支援を講じた事実が記録されている | 新しい取扱いの要件を満たすかどうかの判断材料になる | 技能実習法51条1項の義務を履行した証拠になる |
| 支援の有無が記録上明らかでない | 要件の充足を説明しにくくなる | 義務の履行を説明しにくくなる |
したがって、本人に継続意思を確認し、支援を申し出た事実と本人の回答を記録に残すことの実務上の重要性は、2026年7月27日以降さらに高まっています。本人が支援を断った場合であっても、断ったという事実を記録しておくべきです。
5-3. 「難民申請をすれば自由に働ける」という流れにはならない
「本国で問題が生じたので技能実習を辞める → 自己都合退職 → 転居 → 難民認定申請 → 就労先を紹介してほしい」という経過をたどったとしても、それだけで「技能実習 → 難民申請者用の特定活動 → 自由な就労」という流れになるわけではありません。
新しい取扱いは、むしろ技能実習からの安易な離脱を抑制する方向のものです。加えて、前記2-2で述べた就労制限の運用も併存します。本人がこの点を誤解している場合は、代理人を通じて正確な情報を伝えることが望ましいといえます。
6. 【重要】監理団体が一般のアルバイトを紹介するのは避けるべき
ここは義務の有無以前に、監理団体自身のコンプライアンスの問題です。
7-1. 職業安定法の特例は「技能実習に係る雇用関係」に限られる
技能実習法27条は、監理団体が、通常の職業紹介事業の許可を受けることなく、求人及び求職の申込みを受けて技能実習に係る雇用関係の成立をあっせんすることを業として行うこと(技能実習職業紹介事業)を認めています。職業安定法の特例です。
逆にいえば、監理団体の許可だけで行える職業紹介は、技能実習の転籍先等に限定されるということです。
7-2. 一般のアルバイト紹介は特例の外側
技能実習を辞めた元実習生に対し、技能実習とは無関係な一般のアルバイト先を紹介し、雇用の成立まで仲介する行為は、技能実習法27条の特例の射程外です。別途、職業安定法上の職業紹介事業の許可がなければ行うべきではありません。
安全な整理
監理団体は、技能実習の転籍支援なら行う。
一般のアルバイトの職業紹介は行わない。
本人から強く求められても、この線引きは維持すべきです。「困っているから」という理由で一般職業紹介に踏み込むと、監理団体側が別のリスクを負うことになります。
7. 在留資格が「特定活動」に変わっていた場合の確認方法
7-1. 「特定活動」という名称だけでは就労可否を判断できない
「特定活動」は、法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動を内容とする在留資格です(入管法別表第1の5)。指定される活動の内容は人によって異なります。
したがって、在留カードに「特定活動」と記載されていても、それだけでは就労できるかどうかは分かりません。
7-2. 在留カードの記載と指定書を必ず確認する
| 確認箇所 | 確認内容 |
|---|---|
| 在留カード おもて面 | 在留資格・在留期間・在留期間の満了日 |
| 在留カード うら面 | 資格外活動許可の記載(「許可」「就労不可」等) |
| パスポートに添付された指定書 | 特定活動として指定された活動の内容。就労の可否と範囲はここで判断する |
特定活動の場合、指定書まで確認しなければ就労可否を判断できません。在留カードの写しだけで判断しないでください。
7-3. 就労可否と支援義務の対応関係
| 本人の状態 | 就労の可否 | 監理団体の支援義務 |
|---|---|---|
| 技能実習のまま | 認定計画に基づく技能実習のみ | 継続希望があれば転籍支援 |
| 変更申請中 | 原則として従前の在留資格による | 同上 |
| 特定活動・就労不可 | 不可 | なし |
| 特定活動・指定された就労が可 | 指定書の範囲内 | なし |
| 難民認定→「定住者」等 | 制限なし | なし |
8. 離脱に伴う届出義務を確認する
8-1. 本人の届出義務(14日以内)
入管法19条の16第1号は、「技能実習」を含む一定の在留資格をもって在留する中長期在留者に対し、活動機関の名称変更・所在地変更・消滅のほか、当該機関から離脱したとき、又は新たな機関に移籍したときに、その事由が生じた日から14日以内の届出を義務付けています。
実習先から離脱した実習生には、この届出義務が発生しています。代理人が就いている場合は、代理人に履行状況を確認するのが適切です。
8-2. 実習実施者側の届出
元の実習実施者側では、外国人の離職について労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律28条に基づく外国人雇用状況の届出が必要です。雇用保険の被保険者資格喪失届を提出していれば、それをもって届出に代えることができます。
9. 本人の説明の真偽を監理団体が判断する必要はない
10-1. 難民該当性を判断するのは出入国在留管理庁
「本国で逮捕状が出ている」といった本人の説明について、送出機関に確認したところ事実と異なる回答が返ってくることがあります。このとき監理団体が「本人は嘘をついている」と結論を出す必要はありませんし、避けるべきです。
難民該当性は入管法61条の2に基づき、本人の提出資料・供述等を基に出入国在留管理庁が審査して判断します。逮捕状の有無と、本人に迫害を受けるおそれがあるかどうかは別の問題です。
10-2. 監理団体がすべきは「客観的事実の記録」
送出機関から得た回答は、評価を加えずに客観的事実として記録に残すにとどめます。評価や断定は記録しないほうが安全です。
本人に代理人弁護士が就いている場合は、以後は本人だけでなく代理人にも連絡し、「監理団体として必要な手続のため、現在の在留資格及び就労可能範囲を確認したい」として資料の提出を求めるのが最も適切です。
10. 監理団体が実際に踏むべき5つの手順
10-1. ① 現在の在留資格を確認する
本人又は代理人に、次の資料の提出を求めます。
| 必要資料 | 確認できること |
|---|---|
| 在留カード おもて面・うら面 | 在留資格が「技能実習」のままか、「特定活動」等に変わったか |
| パスポートに添付された指定書 | 特定活動の場合の就労可否と範囲 |
| 難民認定申請の受付票等 | 難民認定申請をした事実 |
| 在留資格変更許可申請の受付資料 | 変更申請中かどうか |
10-2. ② 技能実習継続の意思を書面で確認する
口頭やLINEのやり取りではなく、次の二択で明確に回答を得ます。
「今後、技能実習生として技能実習を継続する意思がありますか。」
□ 継続を希望する □ 継続を希望しない
この確認結果が、以後の対応を分ける分岐点になります。
10-3. ③ 継続希望ありの場合は転籍支援を行う
技能実習法51条1項に従い、元の実習実施者への復職を検討し、困難であれば転籍の可能性を検討、必要に応じてOTITの実習先変更支援を利用します。
10-4. ④ 継続希望なしの場合は一般就職を紹介しない
「現在の在留資格で就労できる仕事については、本人又は代理人において出入国在留管理局・ハローワーク等にご相談ください」と回答します。監理団体自身が一般のアルバイト先をあっせんする必要はなく、技能実習法27条の射程外であるため行うべきでもありません。
10-5. ⑤ 一連の経過を保存する
後日、機構や入管から経緯の説明を求められることを想定し、次の資料を一式保存します。
- 入国後から離脱に至るまでの経過
- 本人からの申告内容(発言のまま記録する)
- 送出機関からの回答
- 退職届・困難時届出の控え
- 転居の経緯、本人との連絡記録
- 技能実習継続意思を確認した記録と本人の回答
- 復職・転籍を提案した場合の提案内容と本人の回答
- 本人が支援を断った場合は、断ったという事実と日時
前記5-2のとおり、2026年7月27日以降は、監理団体等が復職・実習先変更の支援を講じたかどうかが、本人の在留資格変更の可否にも関わります。記録の重要性は従来より高まっています。
監理団体として重要なのは「仕事を探してあげること」ではなく、①在留資格の確認 → ②継続意思の確認 → ③希望に応じた対応という線引きを記録に残して処理することです。
11. 育成就労制度への移行との関係
11-1. 2027年4月1日から育成就労制度へ
令和6年6月に公布された改正法により、技能実習制度は育成就労制度へ移行し、2027年4月1日に施行される予定です。監理団体は監理支援機関となります。
もっとも、本記事で整理した枠組み——支援義務の対象は制度の継続を希望する者に限られること、職業紹介の特例には射程があること、在留資格と就労可否は在留カードと指定書で確認すること——は、制度移行後も基本的に維持されると考えられます。
移行期には、定款変更や許可の切替えに伴い、こうした個別案件の処理と並行して組織側の対応も必要になります。早めのご準備をおすすめします。
12. よくあるご質問(FAQ)
Q1. 本人が「難民申請中だから働ける」と言っています
誤解である可能性が高いです。難民認定申請は入管法61条の2の申請手続であり、在留資格ではありません。とりわけ本来の在留活動をやめた後に申請した者は、出入国在留管理庁の運用上、申請から6か月経過後も原則として就労を許可されない類型に含まれます。在留カードと指定書で実際の就労可否を確認してください。
Q2. 本人を呼び戻して生活の面倒を見る義務はありますか
ありません。技能実習法51条1項が求めているのは「引き続き技能実習を行うことを希望するもの」が技能実習を行えるようにするための連絡調整その他の必要な措置であり、生活扶助や居住地の提供を義務付けるものではありません。
Q3. 本人に代理人弁護士が就いています。本人と直接やり取りしてよいですか
監理団体が事実確認のために本人へ連絡すること自体は妨げられませんが、代理人が就いているのであれば、代理人にも同時に連絡し、記録を残すのが適切です。資料提出の依頼も代理人経由で行うほうが確実です。
Q4. 監理団体の許可があれば職業紹介はできるのではないですか
できる範囲が限られます。技能実習法27条が認めているのは「技能実習に係る雇用関係」の成立のあっせんです。技能実習とは無関係な一般のアルバイトの紹介は、この特例の射程外であり、別途、職業安定法上の許可が必要になります。
Q5. 本人が「特定活動に変更したい」と言っています。監理団体は何かすべきですか
2026年7月27日開始の取扱いにより、技能実習を修了していない者が「特定活動(難民認定等申請者用)」へ変更するには、監理団体等が復職や実習先変更の支援を講じたにもかかわらず技能実習を再開・継続できなかったことが要件とされています。
監理団体としては、支援を申し出た事実・内容・本人の回答を記録に残してください。変更の可否を判断するのは出入国在留管理庁であり、監理団体が判断する事項ではありません。
Q6. 転籍を希望していますが、本人都合の事情しかありません
技能実習制度運用要領は、専ら技能実習生の都合による実習先変更は認められないとしています。やむを得ない事情による実習先変更に該当するかを個別に検討する必要があります。判断に迷う場合はOTIT又は弁護士にご相談ください。
13. 監理団体の法令対応は弁護士法人iにご相談ください
13-1. 当事務所の取扱い
弁護士法人i 本部東大阪法律事務所は、入管法・技能実習法と労働法の双方にまたがる論点を一体として取り扱っています。
- 実習生の失踪・離脱事案における監理団体の対応義務の整理
- 困難時届出・実習先変更支援の手順設計と記録整備
- 機構の実地検査・改善指導への対応
- 育成就労制度への移行に伴う体制整備
個別の事案では、本人の在留状況や経過によって結論が変わり得ます。在留カードの写し・経過メモ・本人とのやり取りの記録をご用意のうえ、お早めにご相談ください。
継続的な体制づくりをご希望の場合は、監理団体向け顧問サービスおよび法令違反に関する対応もご覧ください。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別事案についての法的助言ではありません。特定の事案に関する記述ではなく、実務上生じやすい論点を一般化して解説したものです。
※法令の引用は著作権法32条の要件に従っています。
※本記事の内容は2026年9月時点の法令・運用に基づいています。
出典・参考法令
- 外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律(技能実習法) 8条/9条/19条2項/27条/33条1項/51条1項
- 出入国管理及び難民認定法 19条2項/19条の16第1号/22条の4第1項5号・6号/61条の2/別表第1の2・第1の5
- 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律 28条
- 職業安定法(技能実習法27条による特例の前提)
- 出入国在留管理庁「在留資格の取消し(入管法第22条の4)」
- 出入国在留管理庁「就労制限の対象となる難民認定申請者について」
- 出入国在留管理庁「在留資格『技能実習』を有する者からの『特定活動(難民認定等申請者用)』への在留資格変更に関する取扱いについて」(令和8年7月17日公表、令和8年7月27日開始)
- 出入国在留管理庁「難民認定申請を考えている技能実習生の皆様へ」
- 出入国在留管理庁「所属機関に関する届出(入管法第19条の16第1号及び第2号)について」
- 技能実習制度運用要領(出入国在留管理庁・厚生労働省編)
- 育成就労制度(2027年4月1日施行予定)






