外国人社員の採用・退職の手続き

1、 外国人の採用に関する留意事項

(1)採用面接で外国人に確認すべき事項

外国人の採用面接の際には下記の確認が必要です。

・専門分野の知識・能力

・コミュニケーション能力

・入社の意欲

※詳細は下記をご覧ください。

 

Q 採用面接の際に本人に確認しておくべきことはどんなことがありますか。


A 1 概説
 外国人の採用面接では、外国人に固有の確認事項があります。

<日本人・外国人に共通する面接で確認すべきこと>
●人柄
●コミュニケーション能力
●入社の意欲
●仕事への適性
●専門分野の知識・能力


 これに加えて、外国人を採用するに当たっては次の手続きが必要です。

①在留資格が許可される範囲の従事業務を予定する
 ※ポイント⇒単純労働では在留資格が許可されませんので、専門的・技術的な分野の業務を準備
②書類選考では履歴書の情報をもとに、大学・専門学校の専攻(学科、専門分野)や職歴・実務経験年数の有無などで、在留資格が許可される可能性のある外国人を選考する
 ※ポイント⇒入社後の従事業務が「技術」、「人文知識・国際業務」などの在留資格の基準を満たしているか、という視点で確認
③面接では学歴、専攻、前職がある場合の従事業務や経験年数などの詳細を確認

 また、在留資格に関する確認ではありませんが、外国人の考え方やキャリアプランを確認するため、外国人に対しては、面接で次の質問をすることが多いようです。
●日本に留学した理由
●なぜ本国に帰国せず日本で就職するのか
●いつも国に戻る予定か、または、何年間日本で働きたいと考えているか
●日本人と一緒に仕事をしていけるか
●会社に入社して何をしたいか


2 対応方法
 まずは就労の在留資格を得るのに必要な条件を備えているかを確認します。現在の在留資格や、就労の在留資格を得るために必要な学歴や学校での専攻、業務経験年数などを確認することになります。
 そして、面接結果が良く、すぐに内定を出す場合でも、入社までに就労の在留資格の変更手続きが許可されなければ、内定は無効ですということを伝えておくようにします。具体的には、内定通知書に停止条件の項目をつけておくのが賢明です。なぜなら、会社が内定を出しても必ず在留資格の許可が出るとは限らないからです。採用する会社側に問題がなくても、例えば留学生が週28時間を超えてアルバイトをしているというような場合は、法律を守っていないことになるので、日本での在留状況が不良という理由で、許可されないこともあり得るからです。

 

(2)外国人の在留資格の確認方法

 

Q 外国人の在留資格はどのような方法で確認すればいいですか。

 

A 1 概説
 平成24年7月から、在留資格が許可されると、中長期在留の外国人にはパスポートに証印シールを貼るのではなく、在留カードが交付されます。在留カードは入管局が外国人に与えた在留許可証です。それまでは、在留資格が許可されたときは、外国人のパスポートに証印シールが貼られていました。現在も、在留期間が「3月以下」や「短期滞在」なら在留カードは交付されず、パスポートに証印シールが貼られます。
 在留カードは表面に番号、顔写真、外国人の氏名、生年月日、性別、国籍・地域、住居地、在留資格、就労制限の有無、在留期間(満了日)、許可の種類、許可年月日、交付年月日、等が載っています。裏面は居住地を変更したときの記入欄、資格外活動許可欄、在留期間更新等許可申請欄です。 
 平成24年7月までは、在留資格を有しない外国人(いわゆる不法滞在者)に対しても「在留資格なし」という表示で外国人登録証明書が発行されていました。「不法残留」の状態になっている外国人にも外国人登録証明書は発行されていたのです。しかし外国人登録証明書は平成24年7月に廃止され、新制度では、在留資格を有しない外国人には在留カードは交付されなくなりました。

 

2 対応方法
 外国人の採用をするときは、現在の在留資格は何か、その有効期限(満了日)はいつか、をまず確認します。平成24年7月から、在留資格が許可されると、パスポートに証印シールを貼るのではなく、在留カードが交付されています。ただし、在留期間が「3月以下」や「短期滞在」なら在留カードは交付されずにパスポートに証印シールが貼られますので、それを見て確認することになります。
 確認方法としては、在留資格の欄には、技術、留学、家族滞在、永住者、日本人の配偶者等などの在留資格がどれか一つ記載されています。既に有効期限を過ぎていて、裏面に在留資格変更許可申請中などの記載がないものは、有効期限の切れたカードで、その時点では在留資格は期限切れで消失しています。
 在留カードができる前は、外国人のパスポートを見れば、日本に入国してからこれまでに許可された過去の在留資格を証印シールを見て確認することができましたが、平成24年7月から始まった在留カードには「現在、有効な在留資格」だけしか記載されていません。

 

 

2、外国人を採用する場合の手続

(1)外国人を採用するときに必須の手続

Q 外国人を採用するときに必須の手続きは何がありますか。

入社までに

就労可能な在留資格を得ていること!!

留学生の就職

 ⇒「技術」、「人文知識・国際業務」の在留資格に変更必要

既に就労の在留資格で働いている外国人の転職

 ⇒従事業務が変わるときは在留資格の変更手続きが必要な場合あり

※詳細は下記をご覧ください。

 

A 1 概説
 外国人を採用するときは、日本人と同様の手続きをしたうえで、入社日までに就労が認められた在留資格になっていることが必要となります。
 外国人の在留資格は就労できるかできないかで2種類に分かれています。

●「永住者」、「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」、「定住者」の4つの在留資格
 ⇒就労に制限がなく、日本人と同様にどんな職に就くことも可能。
 これらの外国人は、在留カードで在留資格を確認すれば、その後は入社前後の時期に特段の手続きは不要です。
 また、「特別永住者証明書」を持つ特別永住者も就労の制限がありません。

●「留学」、「技術」などの在留資格
 ⇒就労がみとめられていない・決められた範囲の就労しか認められていない。
 これらの外国人は、入社日までに在留資格の変更手続きが必要となります。具体的には、留学生が学校卒業後に就職する場合や、外国人が転職し、それまでと別の業務に従事しようとする場合です。これらの場合は在留資格の変更が必要になります。転職で、それまでの勤務先と同じ従事業務に就く場合は在留資格の変更は必要ないですが、その外国人の在留資格は転職前の会社(元々の会社)で勤務することを前提に許可されたもので、転職後の会社で勤務することを前提に許可されたものではありません。そのため、新しい勤務先での従事業務が元の在留資格に含まれることを入管局に確認してもらう「就労資格証明書」を得るのが望ましいと言えます。


2 対応方法
 外国人が入社日までに「就労可能な在留資格」を得ていることが外国人を採用するときに必須の手続きとなります。留学生の採用なら入社までに「技術」、「人文知識・国際業務」などの在留資格への変更が必要です。また、既に就労の在留資格で働いている外国人が転職し、従事業務が変わるときは在留資格の変更手続きが必要な場合があります。なお、転職後も、それまでの勤務先と同じ従事業務に就く場合は在留資格の変更は必要ないですが、「就労資格証明書」を得るのが望ましいと言えます。外国人が転職するときは、新しい勤務先で仕事に就いたときに申請をし、交付を受けるのが一般的です。(手数料900円。)転職後の業務内容が同じであれば、在留資格の変更は原則、不要と考えられています。

 外国人の採用手続きは日本人と同様に手続を進める面もありますが、
●在留資格が許可される範囲の従事業務、雇用条件を予定する
●学歴・職歴から在留資格が許可される可能性のある外国人を選考する
など、日本人の採用にはない手続や確認が必要です。
 そして留資格の変更が必要なときは、入社前に入管局に在留資格変更許可の申請を行います。この申請には、外国人を雇用する会社が作成する申請書もあります。また、会社の事業の安定性、継続性などを証明する書類として、会社の決算資料、法人登記事項証明などの書類の提出が必要となります。


(2)上場企業・大企業は在留資格の変更等手続が簡略化される

Q 大企業は外国人採用に関する手続きが簡単というのは本当ですか。

在留資格を変更・更新するときの申請書類が少なくて済むという点においては簡単です。平成21年9月以降、上場企業などは申請書以外の大半の書類提出が免除されています。

※詳細は下記をご覧くさい。

 

A 1 概説
 留学生が就職するときは「留学」の在留資格から「技術」などの在留資格に変更します。この手続は、入管局に申請書類や外国人の履歴書、卒業見込証明書、勤務先の法人登記事項証明書、決算報告書、採用内定通知書など多くの書類を提出します。
 平成21年9月以降、上場企業などは申請書以外の大半の書類提出が免除されています。申請書、外国人のパスポート、在留カード、会社の規模を示す書類などがあれば、申請が可能になりました。企業活動の国際化が進み、外国人雇用手続の簡素化、迅速化が求められることに対応し、上場企業の勤務者などを対象に、手続きに必要な書類・資料が大幅に簡素化されました。
 この簡素化の対象になったのは、上場企業や国・地方公共団体(カテゴリー1)、従業員の所得税を年間で1500万円以上納めている企業(カテゴリー2)だけです。規模の小さな会社(カテゴリー3または4)は、従来と同様、申請には多くの書類、資料の提出が必要です。
 入管局は勤務先の事業の安定性、継続性なども審査しますが、上場企業等は審査するまでもなく条件を満たしているはずだ、ということです。
 ですので、在留資格を変更・更新するときの申請書類が少なくて済むという点においては、大企業は外国人採用の手続きが簡単だと言えます。

<入管局が外国人の勤務先を区分するカテゴリー1~4>
●カテゴリー1:日本の証券取引所に上場している企業、保険業を営む相互会社、国・地方        公共団体、独立行政法人など
●カテゴリー2:従業員の給与にかかる所得税を、年間1,500万円以上納めている団         体・個人(法定調書合計表による証明)
●カテゴリー3:前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表が提出された団        体・個人(カテゴリー2を除く)
●カテゴリー4:上記のいずれにも該当しない団体・個人

2 対応方法
 このカテゴリー分けは、外国人に給料を支払う企業がどのカテゴリーに入るかで判断されます。
 例えば、大卒の留学生が一部上場企業X社の100%子会社で、従業員20人の物流専門のY社に就職が決まったとします。Y社が留学生に内定通知を出し、入社後はY社が給料を支払います。この場合、Y社がカテゴリー3に属するなら、多くの書類・資料が必要です。上場企業の子会社だからカテゴリー1、というわけではありません。
 「外国人と雇用関係があり、給料を支払う会社・団体」がどのカテゴリーになるか、で判断されます。
 もしX社がX社の社員として採用し、その社員をY社に出向させる(X社が給料を支払うという)人事を行う場合は、カテゴリー1であるX社の社員としての取扱いになります。
 そしてカテゴリー1、カテゴリー2に入る会社・団体であれば、在留資格の変更・更新するときの申請書類として必要な大半の書類提出が免除され、申請書、外国人のパスポート、在留カード、会社の規模を示す書類などがあれば、申請が可能となっています。

 

 

3、転職希望外国人に内定を出す場合の留意点

Q 転職で入社希望の外国人に採用内定を出すときに注意すべき点はありますか。

まず在留カードで現在の在留資格と在留期間(満了日)を確認して下さい。

 

A 1 概説
 外国人が転職するケースは様々です。通訳が同じ仕事で他社に就職することもあれば、これまでの通訳の仕事辞めて「エンジニア」として転職することもあります。
 また、現在の在留期間の満了日まで残り1か月もない場合もあれば、2年以上残っている場合などもあり、人それぞれ状況が異なります。
 
 転職はおおむね次の①~④のケースに分かれます。

①永住者など、就労に制限のない外国人の転職
 ⇒原則、手続き不要。ただし、「日本人の配偶者等」・「永住者の配偶者等」の外国人が離婚している場合は在留資格の変更が必要な場合があるので要注意。

②入社までに在留資格の変更が必要な転職(「人文知識・国際業務」から「技術」に変更など)
 ⇒入社日までに就労可能な在留資格に変更する「在留資格変更許可申請の手続」が必要。会社で従事する業務に応じた在留資格に変更。

③在留資格の変更はしないが、在留期間満了日が近いため「在留期間の更新」が必要な転職 ⇒「在留期間更新許可申請の手続」が必要。前回、在留資格が許可されたときから勤務先が変わっている。単なる期間更新ではなく、勤務先の従事業務が在留資格の基準に該当することを申請時に示す必要あり。そのため、実務上は変更の手続きとほぼ同じ説明書類の提出が必要。

④満了日まで長期間あり、在留資格の変更も不要だが「就労資格証明書」は必要な転職
 ⇒転職後速やかに「就労資格証明書」を得ておくのが望ましい。これは、新しい勤務先の従事業務が現在の在留資格の活動に含まれることを入管局が確認し、認められる場合に交付される。
 
2 対応方法
 まず現在の在留資格と在留期間(満了日)を確認して下さい。そして転職するにあたり在留資格の変更が必要な場合や在留期間の満了日が近い場合は、入社日までに就労可能な在留資格への変更や在留期間の更新が必要です。外国人の採用では会社が内定を出しても、入管局が在留資格を許可しなければ仕事に就くことができないので、在留資格が許可されるまでは採用できないというリスクが付いてきます。そのため内定通知書には「貴殿の内定は入管局から在留が許可されない場合は無効とします」という停止条件を入れておくのが良いでしょう。入管局の在留資格の許可がなければ入社できないことを明文化しておくのです。

 

 

4、内定者に説明すべき事項

Q 外国人の採用で入社時に必ず説明すべきことはありますか。

後でトラブルにならないように下記のような収入に直結する取り扱いは初めに説明します。

 これらにより、その分労働条件としての賃金の額より、実際の手取り金額が減ることをあらかじめ説明しておくのが賢明です。

※詳細は下記をご覧ください。

 

A 1 概説
 新卒で入社した日本人学生でも、給料から健康保険、厚生年金保険、雇用保険の保険料が天引きされることを正確に知っている学生は少ないですので、外国人はなおさら日本の制度や仕組みを知らないでしょう。初任給〇〇万円と聞けば、毎月きっちり〇〇万円が給料日に支払われると思ってしまいます。しかし当然、税金や社会保険料の天引きがありますので、〇〇万円を全額受け取ることはできません。
 こういった、日本人なら当然に思ってあまり疑問に思わないこと、そういう仕組みなら仕方ないかとなることでも、外国人には最初に丁寧に説明し、本人に理解を得ておくのが賢明です。そうでないと、入社後に苦情を言われたり、信頼関係が崩れたり、思わぬトラブルに発展してしまうことがあります。
 

2 対応方法
 後でトラブルにならないように下記のような収入に直結する取扱いは予め説明します。

●給料・賞与から社会保険料・税金が天引きされること
 ⇒会社が給料を払うときは、法律に従って給料から税金と社会保険料が控除されます。この控除があるため提示している労働条件としての賃金の額よりも給料日に本人が受け取る手取り額が少なくなります。
 一般的に賃金の約20%程度が所得税、住民税、雇用保険料、厚生年金保険料、健康保険料、介護保険料(=40歳以上)として控除されるので、提示賃金をすべて自由に使えるわけではないことを説明してください。
 賃貸住宅の毎月の家賃の支払い可能額にも影響すると思いますので、この情報は内定を出した時点で先に説明しておくのが賢明です。

●本人の希望の有無に関わらず社会保険への加入義務があること
 ⇒外国人から「私は数年後に帰国するので、厚生年金を引かないでください」と言われることがあるかもしれません。しかし、これは日本の法律に基づいた加入・控除です。老齢年金だけでなく、障害年金、遺族年金の役割もあることや、帰国後に脱退一時金として受け取れる場合があることを説明します。

●勤務開始2年目からは住民税の天引きが始まること
 留学生から社会人になった新卒の場合、入社して1年目は前年の所得が一定額以下なら住民税の控除がなく、2年目の6月以降に給料から住民税の控除が始まります。この時に急に手取り金額が減るので、給料計算のミスではないかと言われないためにも、あらかじめ説明しておきましょう。

●上記によりその分の手取り金額が減ることを説明する

 

 

5、採用後に会社や外国人がとるべき手続

 

Q 外国人を採用後に本人や会社がすべき必要な手続きはありますか

 外国人が入社したときに会社や本人が行う手続きは、原則、日本人と同じです。

 そのほかに、外国人採用に特有の会社がすべき手続きとしては、雇用対策法・入管法で定められた「外国人雇用状況届」の届出手続があります。また、外国人本人が行う特有の手続きとしては在留期間の更新手続きが必要です。

※詳細は下記をご覧ください

 

A 1 概説
 外国人が入社するときに必要な手続きは、原則、日本人従業員の手続きと同じです。労働保険・社会保険に加入し、所得税・住民税が課税されます。労働基準法なども日本人と同様に適用されます。雇用保険被保険者資格取得届の17~22欄は被保険者が外国人の場合のみ記入する箇所となっていますので、ここに外国人の国籍・地域、在留資格、在留期間などを記入し、届出します。その際、各書式に個人番号(マイナンバー)の記入欄がある場合があります。マイナンバー制度では、日本に住民登録のあるすべての人に個人番号(マイナンバー)を付番しますが、それは外国人であっても同じです。外国人は、日本に90日を超えて在留する予定の、中長期滞在者や特別永住者等には住民登録が義務付けられています。よって、日本に90日を超えて在留する予定の外国人には、住民登録ののちに個人番号(ンマイナンバー)が付番されますので、日本人と同様に各手続書式の個人番号記入欄に記載をします。
 また、本人が行う手続きも原則日本人従業員と同じですが、在留期間が切れる前に「在留期間の更新手続」が必要です。この更新が行われず、在留資格・在留期間が失効すると「不法滞在」になってしまいますので注意が必要です。

 

2 対応方法
 【会社が行う手続き】
 外国人が入社したときに行う手続きは、原則、日本人と同じです。
●労働保険:労災保険・雇用保険に加入
●社会保険:健康保険・厚生年金に加入
●税金関係:所得税・住民税が課税される
●その他:労働基準法、育児介護休業法など、その他の法令も日本人と同様に適用

 上記のほかに、外国人採用に特有の会社がすべき手続きとしては、雇用対策法・入管法で定められた「外国人雇用状況届」の届出手続があります。
 会社が外国人を雇用したときは、社員・アルバイトを問わず、ハローワークへの届出が必要です。

<雇用保険の被保険者の場合>
 提出書類:「雇用保険被保険者資格取得届」(【図1】)
 記入事項:
 ・外国人の国籍・地域
 ・在留資格
 ・在留期間
 ・資格外活動許可の有無

などを記入し届出。


<雇用保険に加入しないアルバイトの場合>
 提出書類:「雇入れ・離職に係る外国人雇用状況通知書」

 記入事項:
 ・氏名
 ・在留資格
 ・在留期間
 ・生年月日
 ・性別
 ・国籍
 ・地域
 ・資格外活動許可の有無
 ・雇用年月日

などを記入して届出。

 雇用対策法、入管法によってこれらの届出が求められています。ハローワークに届出していれば、原則、入管局への「中長期在留者の受入に関する届出書)の届出は不要です(入管法第19条の17)。


 この外国人雇用の届出以外は、原則、日本人の採用と同じです。

【外国人本人が行う手続き】
 外国人本人が行う手続きも、原則、日本人従業員と同じです。日本人がする手続で、外国人だからという理由で手続が不要になることはほとんどありません。
 また、外国人には在留期間の更新手続きが必要です。
「技術」、「人文知識・国際業務」などの在留資格は、3月・1年・3年・5年のどれかの期限付で許可されています。有効期限が切れる前に毎回更新手続が必要です。
<更新手続きの方法>
 入管局に「在留期間更新許可申請書」と必要書類を添付して申請。
 4枚ある申請書のうち2枚は会社が作成 ⇒ 代表者の記名・押印が必要
更新が許可されれば、外国人に新しい在留カードが交付されます。

 

 

6、外国人に交付する内定通知書・雇用契約書の記載内容

 

Q 入社前に渡す内定通知書または雇用契約書はどのような内容で作成して、いつ渡せばいいですか。

・従事業務

・給与

・雇用期間

・社会保険加入の有無

などの労働条件を記した内定通知書、もしくは雇用契約書を作成

在留資格が許可されないときは内定は無効、

という停止条件を付ける。

※詳細は下記をご覧ください。

 

A 1 概説

 日本人を採用するとき、内定が決まれば「貴殿の採用を内定しましたので通知します」というような簡単な文面で内定通知書を出すことが多く、入社前に雇用契約書を渡すことは少ないと思います。しかし、外国人を採用するときは、在留資格の変更手続きの際に、入管局に内定通知書または雇用契約書のコピーを提出する必要があるため、入社予定日、従事業務、雇用期間、給与などの労働条件を記した内定通知を出すか、入社前に雇用契約書を作成することが必要です。また、外国人本人に労働条件を文書で通知する役割もあります。

 内定通知書または雇用契約書のコピーは、入管局が外国人の従事業務や雇用期間、給与額、労働保険、社会保険への加入の有無などの雇用条件を審査するときに大切な判断書類になります。入管局に雇用条件を申請する書類としては、内定通知書、雇用契約書のどちらで

も構いません。雇用契約書には会社・外国人の双方の署名・押印が必要です。

 一方、内定通知書は会社からの通知書となり、外国人の署名・押印は不要ですので準備がしやすいと言えます。

 なお、外国人に就労可能な在留資格が許可されることが入社の条件であることを示すために、内定通知書または雇用契約書には在留資格が許可されないときは内定は無効という停止条件を記すのが重要です。コピーを入管局にも提出しますので、不法就労につながることはしないという会社の態度を示すためにも、この停止条件をつけておくのが賢明です。

 入管局は内定通知書または雇用契約書のコピーで外国人が入社後にどんな仕事に従事するかをチェックします。アルバイト従業員がしている単純業務を行わせるなら在留資格を許可しない、ということです。

 

2 対応方法

 外国人の採用が内定したら、従事業務、給与、雇用期間、社会保険加入の有無などの労働条件を記した内定通知書を渡すか、雇用契約書を作成します。在留資格の変更手続きにそのコピーが必要ですので、採用が内定したらなるべく早めに作成して渡してください。その際、在留資格が許可されないときは内定は無効という停止条件を付けておくのが賢明です。

 

 

 

7、転職外国人を採用する場合の会社・外国人の手続

 

Q 他社から転職してきた外国人を雇うとき、本人や会社がすべき手続は何がありますか。

 会社としては基本的には日本人と同様の退職時の手続きを行います。それに加えて、従事業務などを記した退職証明書を交付してください。

 

 外国人本人は、離職後14日以内に入管局へ「契約機関に関する届出」を届け出てください。この届出が義務であることを外国人が知らない場合がありますので、会社の人事担当者が退職時に説明するのが良いでしょう。

※詳細は下記をご覧ください。

 

A 1 概説

 転職者が新しい会社に入社する手続きも、原則、日本人と同様です。年金手帳や雇用保険被保険者証を提出してもらい、社会保険の加入手続きをします。前職の退職時に交付された源泉徴収票があれば、年末調整ができるように提出してもらいます。住民税を特別徴収(給与から控除)にする場合は、必要な手続きを行います。これらは日本人の転職者の場合と同じです。それに加えて、外国人の場合に特有の手続には下記のものがあります。

・入社前に在留資格の変更が必要な場合は、入社前に変更手続きをする(変更後の入社)

 →在留資格を変更せずに就職すると「資格外活動」を行う不法就労になります。

 例えば、「技術」の在留資格で技術エンジニアに就いていた外国人が、転職して通訳・  翻訳の担当者になる場合は、転職前に「人文知識・国際業務」に変更が必要です。

 

・在留資格の変更が必要でないときも外国人が新しい勤務先の従事業務について就労資格証明書を得るのが望ましい

 →例えば、半導体エンジニアがX社を退職し、転職後もY社で半導体エンジニアとして勤 務するようなケースは、「技術」の在留資格を変更する必要はない、と考えられます。し かし「技術」の在留資格は、外国人がY社で勤務することを前提に許可されたものではな く、X社で勤務する前提で審査され、許可されたものです。そのため、新しい勤務先の活 動内容が「現在の在留資格の活動に含まれる」ことを入管局に確認してもらうのが賢明で す。就労資格証明書を申請し、認められれば交付されます。

 

・転職後14日以内に外国人本人が「契約機関に関する届出」(新たな契約の締結)を届出する(入管法第19条の16)。

 →この届出は平成24年7月の入管法改正により、新たに義務付けられました。前職を退 職したときにも届出が必要です。

 

2 対応方法

 具体的には下記の手続きを行います。

 

【日本人と共通の手続き】

・社会保険の加入手続き(年金手帳、雇用保険被保険者証を提出してもらう)

・前職の源泉徴収票があれば年末調整のために提出してもらう

・住民税を特別徴収(給与から控除)する場合は、必要な手続きをする

 

【外国人に特有の手続き】

・転職前の在留資格と異なる業務に従事する場合は、在留資格の変更が必要となるので、必ず入社前に変更手続きが必要。(変更後の入社)

・これまでと同じ業務で転職するケースでは、外国人本人が新しい勤務先における就労資格証明書を入管局から得ておくのが望ましい。

・転職後14日以内に、外国人本人が入管局に「契約機関に関する届出」(新たな契約の締結)を届け出ることが必要。

 

 

8、就労資格証明書がない外国人は採用できないか

 

Q 外国人本人から「就労資格証明書」が提出されないときはどのようすればよいですか。

 転職後の業務が「不法就労」にならないことを確認するためにも就労資格証明書の交付をしてもらうのが賢明です。

 ただし、「永住者」などの外国人はこの証明書は必要ありません。

※詳細は下記をご覧ください。

 

A 1 概説

 就労資格証明書は、外国人が転職したときに、新しい勤務先で仕事に就いたときに申請し、入管局から交付を受けるものです。

 転職後の従事業務が現在の在留資格に含まれることを入管局が確認する意味合いがあります。具体的には、「日本国内において下記の活動を行うことが認められているということを証明します」、という入管局が交付する証明書が「就労資格証明書」です。

 一般的に、外国人の現在の在留資格に該当する活動であれば就労が認められますので、就労資格証明書がなければ就労できない、というわけではありません。しかし、コンプライアンスの面では入手すべきものです。

 入管法第19条の2では「何人も、外国人を雇用する等に際し、その者が行うことができる収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動が明らかな場合に、当該外国人が就労資格証明書を提示し又は提出しないことを理由として、不利益な取り扱いをしてはならない」と定めています。

 例えば「人文・国際」の在留カード(有効期限内)を持つ大卒の外国人は、通訳・翻訳の業務に就くことが可能です。そのような場合に、就労資格証明書を呈出しないことにより、不利益な取り扱いをしてはならない、ということです。しかし、外国人が報酬を得て行うことができる活動が明らかでないときは、そうではありません。

 「人文・国際」の在留カードを持つ外国人でも、経理専門学校を卒業した専門士は、原則、通訳・翻訳に専業で従事することはできません。専門学校で専攻した経理・会計の業務に就くことが前提で「人文・国際」が許可されたのであり、通訳・翻訳に就くことは前提にしていないからです。

 このようにその外国人に許可された活動(就労)に当たるかどうかがすぐにわからない場合がありますので、その際は就労資格証明書を得て確認することが賢明です。

 許可されていない就労を続けると、本人も会社も不法就労を問われることがあるからです。

 一方、就労に制限のない外国人は、日本人と同様にどんな仕事にも就くことが可能です。

 「永住者」、「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」、「定住者」の4つの在留資格は就労に制限はなく、「特別永住者」も同様です。そのため、そもそも就労資格証明書を交付してもらう必要がありません。

 転職した外国人なら誰でも就労資格証明書が必要というわけではありません。

 

2 対応方法

 転職後の業務が「不法就労」にならないことを外国人・会社の両方が確認するためにも就労資格証明書の交付をしてもらうのが賢明です。特に、その外国人に許可された活動(就労)に当たるかどうか不明な場合は、確認が必要です。なお、「永住者」などの外国人は、この証明書は必要ありません。

 

 

9、外国人が退社した場合の手続

 

Q 外国人が退職したときに会社や本人がすべき手続きにはどんなものがありますか

 会社としては基本的には日本人と同様の退職時の手続きを行います。それに加えて、従事業務などを記した退職証明書を交付してください。

 

 外国人本人は、離職後14日以内に入管局へ「契約機関に関する届出」を届け出てください。この届出が義務であることを外国人が知らない場合がありますので、会社の人事担当者が退職時に説明するのが良いでしょう。

 

A 1 概説

【会社の手続き】 

外国人が退職するときの会社の手続きは、原則、日本人と同じです。

・健康保険の被保険者証の回収

・雇用保険の離職票の交付

・源泉徴収票の交付

・住民税で支払うべき残額がある場合はその手続き

 

など、社会保険や税務関係は日本人の退職者と同様に手続を行います。

 上記以外にも、在職中に知り得た営業秘密の守秘を誓約させる「退職時の誓約書」の提出、貸与品の返納、引き継ぎなども会社のルールに従って手続をします。

 また外国人から「退職証明書」を求められることが多く、求められたら退職時に交付します。外国人が退職後に転職するときは、退職証明書が不可欠だからです。入管局で在留資格の変更、就労資格証明書を申請するときに、添付書類として提出するのです。前職での従事業務、業務期間などを入管局が確認します。

 この退職証明書は、労働基準法第22条に従って作成・交付します。

 

・使用期間(会社に在籍した期間)

・業務の種類(従事業務、職務内容)

・地位(社内の役職など)

・賃金

・退職の事由(解雇の場合はその理由も含む)

を記載します。

 

 会社として事実関係を証明する、という意味があります。この事項について、労基法では、「退職者の請求しない事項は記入してはならない」としています。「解雇されたという退職事由は書かないで」と要請されれば、書いてはいけないということです。

 また、入管法では、外国人が離職した、とき会社は入管局に届け出るよう努めなければならない(努力義務)と定めています(入管法第19条の17)

 しかし、ハローワークに雇用保険被保険者資格喪失届の届出をしていれば、入管局への届出は免除されます。

 資格喪失届に外国人の国籍、在留資格、在留期間などの事項を正しく記入し、届出することが前提です。

 

【外国人本人の手続き】

①離職後14日以内に入管局へ「契約機関に関する届出」の届出が必要

②転職予定の場合はすぐに次の会社に入社すること(退職後何もせず3か月以上経つと「在留資格の取消し」対象になる)

③雇用保険の失業保険(基本手当)を受けることが可能(在留期間の制約には注意)

④退職後に海外に出国する場合には、脱退一時金の請求が可能な場合がある

 

 

①就労の在留資格の外国人が退職したときは、14日以内に「契約機関に関する届出(契約の終了)」を入管局に届出することが必要です(入管法第19条の16)。この届出は平成24年7月の入管法改正により、新たに義務付けられましたが、この届出が義務であることを外国人が知らない場合がありますので、会社の人事担当者が退職時に説明するのが賢明です。届出の書式は法務省のホームページからダウンロードできます。

 

②外国人の「技術」、「人文知識・国際業務」などの在留資格は、「就労が認められた勤務先で働くための許可」です。外国人が退職すると、この許可の前提が失われることになります。在留資格が許可された「活動の実態がない」状態になります。

 退職後すぐに帰国する場合は一般的に問題ありません。退職後すぐに別の会社に転職するときは、これまでと従事業務が変わる場合は在留資格の変更が必要になることがあります。

 しかし「退職後3か月以上も何もしていない」ときは「在留資格の取消し」対象になります。平成24年7月の入管法改正によって、「技術」、「人文知識・国際業務」、「技能」などの在留資格を持つ外国人が失業した場合には、この「3か月以上本来の活動をしていない場合」の取消しというのが新たに加わりました。転職先を探すための就職活動などを行わず、正当な理由なくなんとなく日本でぶらぶらしているというような状態で3か月以上経つとその対象になります。

 

③外国人が雇用保険に加入していた期間が、原則12か月以上あれば、日本人と同様の手続きをして、退職後に失業保険(児湯保険の基本手当)を受けることが可能です。基本手当は在職中に働いた機関に応じて90日分、120日分、180日分など長期にわたり受け取ることができます。もし失業中に「技術」、「人文・国際」などの在留期間の満了日が来ると、会社に在籍していないので同じ就労の在留資格は更新されません。

 「短期滞在」に変更して就職活動を続けることができる場合もありますが、必ずしもすべてのケースで就職活動のための「短期滞在」が許可されるとは限りませんのであらかじめ注意が必要です。

 

④外国人が日本の会社に6か月以上在籍していて厚生年金の加入期間が6か月以上あれば、会社を退職して日本を出国した後に、脱退一時金の請求ができる場合があります。脱退一時金は外国人を対象に、厚生年金保険から支給される一時金です。日本に滞在する期間が数年しかない外国人でも、日本の法律に基づき厚生年金に加入して保険料を給料から控除されますが、日本の老齢年金を受け取ることができません。そのため、保険料の掛け捨てを防ぐために、外国人が日本を出国後に請求すれば、厚生年金保険に加入していた期間に応じて、一時金が支払われます。

 

2 対応方法

 会社としては基本的には日本人と同様に退職時の手続きを行ってください。それに加えて、外国人の退職に特有の手続きとして、従事業務などを記した退職証明書を交付してください。

 外国人本人がする手続きとしては、離職後14日以内に入管局へ「契約機関に関する届出」の届出が必要となります。この届出が義務であることを外国人本人が知らない場合がありますので、会社の人事担当者が退職時に説明するのが賢明です。雇用保険の基本手当を受けることもできますが在留期間の制約には注意してください。退職後3か月以上にわたり、再就職や就職活動がなければ、在留資格の取消しの対象になりますのでそこには注意が必要です。なお、退職後に海外に出国する場合には、要件を満たせば脱退一時金の請求が可能な場合もあります。

お気軽にご相談ください
お気軽にご相談ください