外国人の労働時間トラブル(外国人留学生のアルバイト)

「外国人留学生をアルバイトとして雇用したいが、法律上問題はないだろうか」

 

平成24年度には16万1848人であった外国人留学生の数は、平成30年度には約29万8980人へと急増しています。このような状況下においては、企業が外国人留学生をアルバイトとして雇用する機会も増加していくものと考えられます。それでは、外国人留学生をアルバイトとして雇用する際、どのような問題点があるでしょうか。

 

資格外活動許可の取得の必要性

留学生の在留資格である「留学」は、「日本の教育機関で教育を受ける」ために許可されたものですので、原則として就労は認められません。例外として、入管局から「資格外活動の許可」を得ている外国人に限り、残業時間を含めて週28時間以内の範囲でアルバイトが可能となります(入管法19条2項、入管規則19条5項)。

 

労働時間は週28時間以内に限られる

資格外活動許可では、週28時間の労働のみが認められていますので、週28時間を超えて労働させた場合は違法になります。また、2社以上でバイトを掛け持ちしている場合、全会社での労働時間を合計して週28時間までとなります。

 

学校の長期休業中に限り、1日8時間の労働が可能

学校の授業のある時期は週28時間が上限ですが、夏休みなど「学則で決まっている長期休業期間」中に限って、1日8時間までアルバイトが可能となります。また、外国人にも日本人と同様に労働基準法が適用されますので、週40時間の労働が上限となります。なお、「学則で決まっている長期休業」以外の期間は、たまたま授業の休講が多くても、この取り扱いはできませんので注意が必要です。

 

風俗営業の禁止

労働時間の制限に加え、留学生は、下記に挙げるような風俗営業のアルバイトをすることは禁止されています(入管規則19条5項1号)。

・キャバレー

・ホステス、ホストのいる飲食業

・照度10ルクス以下のバーや喫茶店

・まあじゃん店・ぱちんこ店

・スロット店(以上まで風営法2条1項1号~5号)

・その他性風俗関連特殊営業(風営法2条6項、11項、7項、8項、9項、10項)

 

法令違反に対する罰則

事業活動に関し、外国人に不法就労活動をさせた場合、事業主は、3年以下の懲役または300万円以下の罰金に処せられます(入管法第73条の2第1項1号)。

 

 

外国人を雇用している場合、きちんと対策を講じていなければ、知らぬ間に不法就労活動をさせたこととなり、処罰されてしまうことになる可能性があります。当弁護士事務所は、外国人労務問題について多くの実績をもっております。簡単な相談で解決することもございますので、一度、どうぞお気軽にご相談下さい。

お気軽にご相談ください
お気軽にご相談ください