外国人雇用体制が問題でビザが下りない場合

外国人雇用体制が問題でビザが下りない場合

 

実際に企業と入国管理局との間でとくに多く起こるトラブルには、

・他企業から外国人労働者を受け入れた場合に起こるもの

・「短期滞在」の資格でも従事できる業務か、就労可能資格が必要な業務かの判断を誤ったことが原因で起こるもの

 

の2つがあります。

 

これらのケースとはどのようなものなのか、また不許可処分が出た場合にどのような対応をすべきかについて説明します。

特に多い事例

冒頭でも説明したとおり、企業と入国管理局との間で起こりやすいトラブルは、

 

①他の企業から受け入れた外国人労働者の就労資格が問題となるもの

②「短期滞在」資格と就労可能資格で従事できる仕事の違いに理解が無かったことが問題となるもの

 

の2パターンが多いです。

これらは、どちらも外国人の労務管理体制が整っておらず、不備があったことが原因で引き起こされたものです。

 

たとえば、①に当てはまる具体例をあげると、

他社から(派遣や業務委託の形で)外国人を受け入れていたが、本人が持つ在留資格では従事できない業務に就かせていたケース、などがあります。

 

続いて、②にあてはまる具体例をあげると、

海外に拠点がある関連企業や取引先などから外国人労働者を「短期滞在」資格で何度も日本に呼び寄せ、実際には自社で就労させていたケースなどがあります。

 

不許可処分を受けたまま放置するとどうなる?

上記①や②のように、外国人労働者の労務管理体制をおろそかにしていると、入国管理局から不許可処分を受ける可能性があります。

 

万が一、不許可処分を受けたとしても、そのまま放置すべきではありません。

というのも、放置し続けると企業にとって大きなリスクが発生するからです。

 

不許可処分を受けたまま放置すると、企業の名前などが入国管理局のデータベースに登録されます。

そして、それ以降企業が新たに申請などを行おうとしても、データ登録の事実が考慮され、不利になる可能性があります。

いわゆる、「ブラックリスト入り」のような状態になるのです。

 

入国管理局による審査では、外国人を雇用する企業そのものが、法律に則って事業運営をしているかどうかも審査の対象となります。

よって、外国人の労務管理に不備があると致命傷になりかねません。

放置した不許可処分を受けた外国人とは全く別の外国人に対する申請についてでさえも、不許可処分を受ける可能性が格段に上がるのです。

不許可処分を受けたときにすべき対応

外国人労働者の労務管理の不備が原因で在留資格申請の不許可処分を受けた場合は、そのまま放置しないことが鉄則です。

 

では、具体的にどのような対応をすればよいのかというと、正確な事実の調査と具体的な改善策を提示することが重要となってきます。

 

提示の場として最適なのは、不許可処分を受けた外国人の再申請を行うとき、あるいは別の外国人の在留資格取得のための申請時です。

 

不許可処分を受けたら、次の申請を行うまでに、

 

1:なぜ不許可処分を受けたのか、原因となる事実は何か。そして、どうしてその原因が発生したのか。

2:不許可処分の原因となる事実が、再び発生しないためにはどのような改善が必要か

 

の2点について調査を実施します。

 

そして、それらをまとめたものを改善計画書として提出することで、一度不許可処分を受けた件でも、許可がおりる可能性が高まります。

 

1の不許可処分の原因をあげる際は、

・他社から外国人を受け入れたときに、その外国人が持つ在留資格と従事する業務の照らし合わせが不十分であった

・入管法における「短期滞在」資格で就労できる業務範囲の知識が不十分であった

などの内容を、できるだけ詳しく記述することが重要です。

 

2の改善策については、

・入管法の知識を会社全体で徹底していく

・外国人の受け入れ業務に関して、社内でトリプルチェック体制を整える

など、こちらも同じくできるだけ詳細に記述することがポイントです。

 

詳細な記載があり、今すぐにでも実行可能な改善計画書を作成・提出できれば、外国人の労務管理に不備がある企業として判断されず、入国管理局のブラックリストに登録されずに済むケースが多いのです。

 

外国人労務でお悩みなら弁護士にご相談を

ここまで、入国管理局より不許可処分を受ける事例や、そのときにすべき対応について説明してきました。

 

最後まで読んでくださった方はお分かりかと思いますが、一度不許可処分を受けると、企業は大きなリスクを負うことになります。また、入館局の信頼を取り戻すためには、詳細な事実調査などの大きな努力が必要です。

 

企業にとって、外国人の労務管理が負担になる可能性があるのは否めません。

そのため、多くの経営者様が、外国人労務管理を専門家に任せたいと考えていらっしゃいます。

 

しかし、実は、弁護士なら誰でも入管法に詳しいかというとそうではありません。むしろ、入管法の詳しい知識や実務経験を持つ弁護士は少数派なのです。

よって、いつも懇意にしている弁護士に外国人労務を相談しても、思うように対応してもらえない可能性があります。

 

弊事務所では、外国人労務で悩んでいらっしゃる企業様向けサービスを提供しております。

外国人労務の実務経験豊富な弁護士が所属しておりますので、幅広くご相談いただけます。

 

企業様からのご相談は初回無料で受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。

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