2026年行政書士法改正対応|弁護士による入管申請・特定技能届出サポート
令和7年改正行政書士法(2026年1月施行予定/施行日は政令でご確認ください)第19条第1項は「他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て」と文言を追加しました。監理団体・特定技能所属機関・登録支援機関による在留申請書類作成は、名目(監理費・支援費・サポート費等)を問わず違法と評価される射程が明確化されています。本ページでは、改正の要旨と適法体制への移行手順、当事務所のサポート内容を申請取次弁護士の立場から解説します。
1. 【重要・要対応】令和7年改正行政書士法 ── 何が変わったか
1-1. 改正19条1項の文言追加とその射程
改正前の19条1項は「業として」他人の依頼を受け報酬を得て申請書類等を作成することを行政書士の独占業務としていました。改正により「他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て」という文言が追加され、形式的に「無償」を装っても、監理費・支援費・コンサルティング費・サポート費等の名目で実質的な対価を得ていれば19条違反となり得る点が明文化されました。
1-2. 国会答弁による解釈の確認
第217回国会 衆議院総務委員会 第16号(令和7年5月29日)会議録では、本改正は「現行法の解釈を明確化するものであり、違法・合法の線引きを変えるものではない」と答弁されています。すなわち違法ラインは元から存在しており、改正はそれを可視化したものです。
1-3. 改正の社会的背景
- 士業団体による告発の動き:2025年10月には大阪で無資格社労士業務による逮捕事例が報じられるなど、士業団体による監視・告発が強化されています。
- 受入企業のコンプライアンス意識:「その業務は適法に委託できているか」を問う取引先が増加し、違法な体制は取引停止・信用毀損リスクと直結します。
- 育成就労制度(2027年施行予定)への移行期:制度移行に伴い各種申請の急増が予想されます。今のうちに適法体制を整えることが、円滑な移行の前提となります。
2. 何が「OK」で何が「NG」か ── 業務ごとの可否
| 業務内容 | 可否 | 根拠・備考 |
|---|---|---|
| 情報収集・添付書類の回収 | ○ | 独占業務に該当せず。監理団体・登録支援機関・受入企業でも実施可能。 |
| 申請書(在留資格認定証明書交付・変更・更新)の作成 | × | 有償で行えるのは弁護士(法人)・行政書士(法人)に限定(行政書士法1条の3第1項・19条1項/弁護士法3条1項・72条)。監理団体・登録支援機関・受入企業による外国人本人に代わる作成は不可。 |
| 完成書類の入管への提出(取次ぎ) | ○ | 登録支援機関等の職員による取次ぎは、出入国管理及び難民認定法施行規則6条の2第4項1号・59条の6等で認められる(書類「作成」とは別概念)。 |
| 外国人本人が自分で申請書類を作成(内製) | ○ | 本人・受入企業による自己作成は規制対象外。本人内製を助言・支援する形態は適法(下記4-3)。 |
2-1. 「無償だから大丈夫」は通用しない
形式的に書類作成を無償としていても、実態として監理費・支援費・コンサルティング費・サポート費等の名目で対価を得ている場合は、「いかなる名目によるかを問わず報酬を得て」(19条1項)に該当し違反となり得ます。支援先・監理先に事実上限定して書類を作成している場合は、有償と評価される蓋然性が高い点にご留意ください。
3. 違反を継続するとどうなるか ── 罰則と実務リスク
3-1. 刑事罰
行政書士法21条の2により、無資格者が有償で申請書類を作成した場合、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金に処せられます。
3-2. 両罰規定(法人にも罰金)
行政書士法23条の3により、行為者個人だけでなく、その法人(監理団体・登録支援機関・受入企業)にも罰金刑が科される可能性があります。
3-3. 実務リスク
- 受入企業からの取引停止・契約解除
- 信用毀損・レピュテーションリスク
- 登録支援機関の登録取消し事由該当のおそれ
- 社内監査・本社報告における差戻し
4. 適法に運用するための3つの選択肢
4-1. ① 士業(弁護士・行政書士)への外部委託
最も明快な適法ルートです。ただし監理団体・登録支援機関が受入企業から再委託する形は不可であり、受入企業または外国人本人から士業への直接委託が必要です。再委託・士業の派遣・出向受入による代行も不可です。
4-2. ② 緊密な士業法人との提携
独立した行政書士法人・社労士法人または弁護士法人と連携する方法です。共同受任や紹介料の授受がないことが前提(弁護士法72条参照)。
4-3. ③ 受入企業・本人の内裝化支援
申請書類は受入企業または外国人本人が作成し、貴団体は「助言」「情報提供」「研修」にとどめる方法です。書類作成代行ではなく、内製のための体制構築・教育を提供する形が適法となります。
5. 弁護士による申請取次が選ばれる根拠
5-1. 弁護士法上の根拠
弁護士法3条1項は弁護士の職務範囲として「一般の法律事務」を定め、同72条が非弁護士の有償法律事務取扱いを禁じています。在留資格申請における書類作成・代理は、行政書士法1条の3第1項の独占業務であると同時に、弁護士の職務範囲にも含まれます。
5-2. 申請等取次制度
出入国管理及び難民認定法施行規則6条の2に基づく申請等取次者として届け出た弁護士は、本人出頭原則の例外として、本人に代わり申請書類を提出することができます。
5-3. 不許可時の救済まで一貫対応
弁護士は、不許可となった場合の再申請の組立て・審査請求・取消訴訟までを職務範囲内で一貫して対応できます。行政書士・他資格者では、救済段階で別途弁護士への依頼が必要となります。
6. 当事務所のサービス内容
6-1. 在留資格申請
認定証明書交付・変更・更新・資格外活動・家族滞在 等。オンライン取次/窓口取次、理由書作成、補正・照会対応、不許可時の再構成まで。
6-2. 特定技能 随時届出/定期届出
- 随時届出:変更発生から原則14日以内(特定技能基準省令)。委任状に基づき代理作成・提出。
- 定期届出:対象期間の実績整理、最新様式反映、提出経路の最適選定。
6-3. 監理団体・登録支援機関向け顧問契約
適法な業務フローの設計、契約書・委任状の標準化、社内研修、コンプライアンス監査の支援。
7. ご利用の流れ
- 無料ヒアリング(30分):課題・期限・在留履歴の把握
- 資料収集:必要書類リストの提示(在留カード・雇用契約・賃金台帳・出勤簿ほか)
- ドラフト作成:理由書・届出書・添付資料の整合チェック
- 提出:オンライン/窓口/郵送、補正指示への即応
- 結果フォロー:在留カード受領支援、次期届出のスケジュール化
8. 立場別の比較(2026年改正基準)
| 立場 | 申請書類の作成 | 取次提出 | 不許可後の救済 | 主な根拠 |
|---|---|---|---|---|
| 弁護士(法人) | ○ | ○ | ○(審査請求・訴訟まで) | 弁護士法3条1項/施行規則6条の2 |
| 行政書士(法人) | ○ | ○ | ─ | 行政書士法1条の3/施行規則6条の2 |
| 監理団体・登録支援機関 | ×(有償の場合) | ○ | ─ | 行政書士法19条/施行規則59条の6 |
| 無資格業者 | × | × | × | 行政書士法19条違反のおそれ |
本表は2026年改正基準でのコンプライアンス整理であり、個別事案の最終判断は具体的事実関係によります。
9. よくあるご質問
Q1. 「コンサルティング」の名目であれば申請代行を依頼してよいですか?
名目を問わず、有償で在留申請書を作成する行為は行政書士法19条1項に該当し得ます。実態が書類作成代行であれば、契約書上の名称にかかわらず違反と評価されるおそれがあります。
Q2. 監理団体が外国人本人から直接委任を受ければ書類作成できますか?
委任の経路が「受入企業からの再委託」ではなく「本人からの直接委任」であっても、監理団体は士業ではないため、有償で書類作成を行うことは19条1項に該当します。委任元・委任経路の問題ではなく、受任者の資格の問題です。
Q3. 育成就労制度(2027年施行予定)への移行で何が変わりますか?
制度移行に伴う各種申請が急増することが見込まれます。違法な代行体制のまま移行期を迎えると、申請集中時に告発リスクが顕在化しやすく、移行業務自体が停止する事態も想定されます。移行前に適法体制を整えることを推奨します。
Q4. オンライン申請に対応していますか?
申請等取次者の届出を前提に、各種手続でオンライン提出に対応しています。
10. お問い合わせ
初回30分・無料相談(オンライン可)
電話:0120-115-456(受付10:00〜19:00)
メール/お問い合わせフォーム:24時間受付
※本ページは一般向けの情報提供であり、個別事案の最終判断は一次資料に基づき当職が行います。引用は著作権法32条の要件(明瞭区分・主従関係・出所明示)に従っています。
11. 出典・参考法令
- 行政書士法 1条の3第1項/19条1項/21条の2/23条の3
- 弁護士法 3条1項/72条
- 出入国管理及び難民認定法施行規則 6条の2第4項1号/59条の6
- 特定技能基準省令(出入国管理及び難民認定法第7条第1項第2号の基準を定める省令の特例を定める省令)
- 第217回国会 衆議院総務委員会 第16号(令和7年5月29日)会議録






