技能実習生の月間の監理費いくら使っていますか?5名以上の雇用は監理団体設立をご検討ください

はじめに

昨今人手不足により、飲食料品製造、その他製造業、介護等の業種で技能実習生を雇用する事業所が多数あります。事業主のお話をお伺すると、人手不足もあるのですが低賃金の労働力を期待されている事業主がほとんどです。

この点、技能実習生も企業と雇用契約に基づき雇用される従業員に違いはありません。技能実習生の賃金については技能実習法により「日本人が従事する場合の報酬の額と同等以上であること」(実習法9条1項9号)と定められており、賃金の面で実習生を低賃金で雇用することはできません。

また、技能実習生の雇用方法は「団体監理型」「企業単独型」の2つの方法があるところ(参照)、企業単独型は海外に資本提携先企業がある等高いハードルがあり、一般的に日本企業が利用するには高いハードルがあります。

そこで、約9割以上の企業が「団体監理型」(事業協同組合や商工会等の営利を目的としない団体(監理団体)が技能実習生を受け入れ、傘下の企業等(実習実施者)で技能実習を実施する方式)を採用するのですが、団体監理型の場合には毎月技能実習生一人あたり約3万円程度の監理費用が掛かり、結局日本人を雇用するより割高になってしまいます。

監理費用の平均参照データはこちら

 

これは技能実習制度の目的が「人材育成を通じた開発途上地域等への技能、技術又は知識の移転による国際協力を推進することを目的としている(実習法1条)ところからすると純粋な雇用より研修の意味が強くやむを得ない面もあります。

しかし、事業主にとっては人件費コストも重要な経営課題で有ることに違いはありません。そのようななかで検討できる対策の1つが、企業による監理団体の設立です。

 

本記事では企業における監理団体設立のメリット・デメリットを解説したうえで、当事務所でサポートできる内容をご紹介させていただきます。

【企業における監理団体設立のメリット】

監理費の負担軽減

監理団体を設立したとしても、監理費が掛かることに変わりはありません。異なるのは、自社関連監理団体に支払うことになるという点です。

すなわち、これまで団体監理型技能実習を採用されていた企業では監理事業をいわば外注することになり、その費用を監理団体に支払っていましたが、監理団体を設立することで自社のいわば関連会社に監理費を支払うことになる点で単なるコストでは無くなるという違いがあります。また、監理費についても自社関連組合にて設定することが可能です。

適法な監査業務の対応を実現

次に、実習生を雇用されている企業様の中には監理団体が何もしてくれない。監査といってもおざなりに実習生の話を聞いているだけであるという不満の声をお伺することもあります。

しかし、自社で監理団体を設立し、自社運営すれば、監査についても直接(自社関連監理団体)で行うため、法令違反等カスタマイズして十分に精査することが可能です。

また、自社関連監理団体で定期監査を行うことで、実習法、出入国管理法についての理解が深まり、ノウハウを特定技能制度にも活かすことが可能です。

特定技能への展開、外国人雇用の継続的な実施

現在、技能実習2号を良好に修了しており、且つ特定技能で従事しようとする業務と技能実習2号の職種・作業に関連性がある場合には特定技能試験を合格しなくても特定技能の在留資格を取得することが出来ます(上陸基準省令 特定技能1号の下欄柱書但書:無論、特定技能の他の要件の充足は必要)。

すると2号技能自習を良好に修了した実習生について自社で特定技能外国人として雇用することが難しい場合、職業紹介業として他社へ職種・作業に関連性がある業務について特定技能外国人を紹介することが出来ます。

これにより自社関連監理団体をヒューマンリソース部門の機能を担わせることができます。

さらに自社で技能実習2号を良好に修了した実習生を特定技能1号外国人として雇用する場合には、登録支援機関の支援が必要となりますが、これも監理団体に登録新機関として登録しておけば、支援費用を監理団体に落とすことが可能となります。

【企業における監理団体設立のデメリット】

上記のようにメリットのご説明をさせていただきましたが、監理団体を設立するには様々なハードルがあります。

企業における監理団体設立における懸念事項を整理します。

事業協同組合の設立が必要

まず、監理団体は元になる組織はほとんどが中小企業協同組合法に基づく事業共同組合です。中小企業協同組合法では1組合員の出資口数は、出資総口数の100分の25を超えてはならないと定められております(同法10条3項)

すなわち、事業共同組合の設立には発起人企業として4社(個人事業でも可能)ということになります。

また、技能実習生の受け入れ事業を行うのであれば、監理団体の事務を簡易化するためにできるだけ同職種の方がスムーズです。とすると、(できるだけ)同業種の事業主4名が共同して設立することになります。

手順としては、事業協同組合の設立➡監理許可の申請という流れになります。なお、A企業の関連企業Bについて発起人になることができるかというご相談をよく頂きますが一般論では回答できないので一度お問い合わせください。

信頼できる発起人の選定

また、監理団体の元となる事業協同組合は株式会社などの営利目的法人と異なり「組合員の相互扶助」を目的としており(同法5条1号)。中小事業者が一つの組織を結成し、協調して経営の合理化を達成することにあります。

この法の目的を反映して、議決権について出資口数に関わらず各組合員平等に1個の議決権を有しております(同法11条1項)。これが、資本の論理に基づき出資一株一議決権が原則である株式会社との決定的な違いです。

 それゆえ、発起人も相互扶助の精神に基づき共同事業を共同して遂行するパートナーとして信頼できる事業者を選定する必要があります。資本の論理が通じず、頭数で多数決の原理を当てはめると大企業でも他の組合員次第では理事長の座から降ろされることもあるのです。

正確な外国人雇用における法令理解

事業協同組合で技能実習事業を遂行するには、技能実習法、出入国管理法の理解が欠かせません。具体的には、顧問弁護士などによる担当者の育成が(研修)安定した事業運営には欠かせません。

なぜなら、技能実習事業は厚労省と法務省の厳格な管理下にあり(技能実習法103丞1項)、厳しい制裁(改善命令等 技能実習法36条2項)メニューがあり、最終的に監理許可取消(実習法37条1項)になれば折角設立した組合が水泡に帰することもあるからです。

 

ここまで企業における監理団体設立のメリット・デメリットを整理させていただきましたが、デメリットで記載している内容は専門家との連携を行うことで解決できる点です。当事務所では監理団体設立を検討されている企業様に向けて、監理団体の設立から現地法人との連携、受入れ後の適法な体制構築に向けたサポートを行っております。

監理団体設立を検討される企業様は、ぜひ関係法令に精通した専門家との連携をご検討ください。

【当事務所でサポートできること】

事業協同組合設立

非営利団体となる事業協同組合の設立のサポートを行います。

単純な中央会での設立手続きの代行のみではなく、事業を開始するための信頼できる発起人の選定方法に関するアドバイスや、事業協同組合の設立要件を満たすために必要な対応についても細かくサポートが可能です。

サポート内容の詳細はこちら

監理団体許可

事業協同組合設立後には、技能実習生監理事業の許可が必要になります。許可取得に向けた要件チェックと許可申請の代行を行います。

サポート内容の詳細はこちら

監理団体運営に向けた相談対応

監理団体設立後には、入管法・技能実習法に基づいた監理団体運営が必要になります。当事務所では監理団体の外部監査人として監査業務にも対応をしておりますので、機構から指摘の入りやすい事項や細かい対応が必要な範囲についてチャット等ですぐに相談いただくことが可能です。運営上のトラブル防止にご活用いただけます。

サポート内容の詳細はこちら

担当者育成に向けた研修

監理事業を適法に行うためには、監理団体の職員となる担当者の方が十分に法令と監理事業を把握したうえでの対応が求められます。監理事業を実際に行う職員・担当者の方に向けて最新の法令に関する情報や、許可取消し事由等の解説を踏まえた研修を行います。適法な運営に向けて担当者の育成は必須ですので、専門家との連携をおすすめします。

おわりに

最後までお読みいただきありがとうございました。

監理団体設立に関して少しでも興味をお持ちの方は、まずは無料相談をご活用ください。

現状をヒアリングさせていただいたうえで、監理団体設立を行うべきかどうかアドバイスをさせていただきます。

設立に向けた各種FAQについては過去の申請対応実績をもとに下記に整理しております。設立に関する検討材料としてご活用ください。

【組合設立のFAQ】

【監理許可に関するFAQ】

【組合運営に関するFAQ】

お気軽にご相談ください
お気軽にご相談ください