監理団体向け法令違反対応
技能実習制度に関する取締りの厳罰化傾向
2017年に外国人技能実習生の適正な技能実習に向けて技能実習法が施行されましたが、
今もなお技能実習生の給与や生活環境に関する報道が絶えず、技能実習制度については世界的にも批判されてしまっている現状があります。
そういった状況下で日本としての外国人労働者の待遇に関する取締りが厳しくなっている傾向があり、
2021年段階でも技能実習機構から発表される「行政処分等」では、許可の取消し事案が毎月1件程度のペースで発表されているのが現状です。
法令違反を分かっていながらも放置してしまうケースもありますが、
法令違反だと認識しないまま実習実施者や技能実習生への対応を行ってしまうということもあるかと思います。
十分な法令理解をしていない場合、いつの間にか法令違反に該当してしまうというケースもあるため、
入管法・技能実習法・労働法をしっかりと理解したうえでの対応がとても重要になります。
それって法令違反になっていないですか?注意すべき対応
技能実習機構では、許可取消しとなった監理団体については名前の公表と取消しと判断された理由が記載されています。
これらの内容を十分に理解して自身の監理団体で同様の対応をしてしまっていないか把握しておくことが重要です。
ここでは注意すべき監理団体の対応についてポイントをまとめてお伝えします。
名義貸し
監理団体は自己の名義をもって、他人に監理事業を行わせてはいけません(技能実習法38条)。
違反する場合の罰則は1年以下の懲役または100万円以下の罰金です(同109条4号)。
また、監理団体から名義貸しを受けた者も罰則の対象となります(1年以下の懲役または100万円以下の罰金)。
ただ、罰則の対象となるのは実習監理に該当する①雇用関係の成立のあっせんと②実習実施者に対する指導監督のみです(同2条9号)。
良く見受けられるのは、第三者に委託して実習実施者の監査に行かせる等です。
軽く考えがちですが刑罰の対象です絶対にしてはなりません。
監査業務の不徹底
監査業務の不備で管理許可取消になる例として見受けられるのは入国後講習に関して、
実施していないもしくは実施が計画とおり行われていない等です。
監理団体にとって監査業務は本来的使命である中核業務です。
いずれも管理許可取消につながる重大不備ですので虚偽申請も含めて有ってはなりません。
送り出し機関との覚書等の締結
実習管理者またはその役職員が、技能実習生等又はその配偶者、直径もしくは同居の親族その他技能実習生等と
社会生活において密接な関係を有する者との間で、技能実習に掛かる契約の不履行について違約金を定め、
又は損害賠償の予定をする契約をすることは禁止されています(技能実習法47条1項)良く耳にする保証金の徴収も上記に該当します。
さらに、関連して技能実習生らに貯蓄の契約をさせ、または貯蓄金を監理する契約をすることも禁止されています(実習法47条2項)
上記条項に違反した場合6月以下の懲役または30万円以下の罰金に処されます。
なお、同条項は実習実施者には課せられていませんが使用者である実施者は、
労働基準法16条(賠償予定の禁止)及び18条(強制貯金の禁止)により規制されます。 同罰則は実習法と同様の法定刑となります(同119条1項)。
監理団体様向け法令違反対応に関するサポート
当事務所では実際に技能実習機構から指摘を受けた場合の対応方法のアドバイスなど法令違反が発覚した際の事後的な対応はもちろんですが、
「現在の運営状況に問題があるかもしれない・・・」「送り出し機関との関係書面の見直しを行いたい」 等の
現状の運営状況に危機感をお持ちの監理団体様に向けたサポートも行っております。
近年機構や入管庁からの指摘も取締りが厳しくなっていますので、現状に少しでも不安をお持ちの職員様はぜひ一度専門家にご相談ください。
監理団体コンプライアンスチェック
現在の運営状況を関係書面の確認等を通じてチェックいたします。
問題が発生している点を明確したタイミングで具体的な改善方法のアドバイスも可能です。
継続的なアドバイスも可能ですので、現在の受入れ状況に不安がある方は是非一度ご相談ください。
技能実習機構・入管庁からの改善命令等への対応
現在十分な体制構築ができていると認識していても、実際には技能実習機構等からの監査や立入検査によって
改善命令等が出される可能性もございます。処分への十分な対応ができない場合、監理事業自体の許可の取消しの可能性もあるため、
そのようなことがないよう改善命令が出た場合に貴社へ必要な施策をアドバイスいたします。
指摘を受けると冷静な対応が難しく混乱してしまうことも多いと思いますので、ぜひ専門家をご活用ください。
外国人労務特化!外国人労務顧問
当事務所では、上記のサポートを含めて顧問契約形態でのサポートも可能です。
監理団体における適法な監理を継続的に行っていくためには、入管法・労働法・技能実習法の関係法令について
十分に理解をしたうえで対応をしていくことが必須となります。
既存で外部監査人を士業事務所に依頼をされている場合であっても、セカンドオピニオンとして
日々の監理業務についてサポートをさせていただくことが可能です。
ご興味のある方は、まず一度当事務所にご相談ください。