外国人を雇用する派遣会社様へ

外国人を雇用する派遣会社様へ

 

外国人を雇用し、他社へ派遣する派遣会社様は、特に入管法への知識が必要となります。

というのも、近年不法就労に関する取り締まりは厳しくなり、多くの派遣会社経営者が、不法就労助長罪の疑いで逮捕、あるいは書類送検されています。

不法就労をした外国人本人だけでなく、違法に働かせた雇用主も罪に問われる傾向が強まっているのです。

さらに、不法就労助長罪に問われると、労働者派遣事業の許可が取り消されるというリスクもあります。

 

本記事では、外国人を雇用する派遣会社様向けに

・派遣会社経営者が不法就労助長で逮捕された事例

・不法就労助長についてよくある誤解とは

・外国人を派遣契約で他社に派遣するときに注意すべきこと

 

について説明します。

派遣会社が摘発された事例

近年、不法在留者を働かせたり、外国人に資格外の就労をさせたりしたとして、派遣会社が摘発される事例が増えてきています。

中には逮捕者が出たケースも多くあり、取り締まりが厳しくなってきていることがわかります。

たとえば、以下のような事例があります。

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不法残留していたベトナム人を工場に派遣したとして、愛知県警は19日、人材派遣会社「ウィルスタッフ」(愛知県瀬戸市)の社長、近藤靖暢容疑者(45)=同県豊田市=を出入国管理法違反(不法就労助長)の疑いで逮捕した。捜査関係者への取材でわかった。

 捜査関係者によると、近藤容疑者は昨年から今年にかけて、不法残留していたベトナム人を派遣労働者として雇用し、瀬戸市内の自動車部品工場などに派遣していた疑いがある。同社には約600人の派遣労働者が登録しており、約半数が外国人だったという。

 

朝日新聞DIGITAL 2020年2月19日 より)

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この事例は、不法残留した外国人を他社に派遣した派遣会社社長が逮捕された事例です。

近年の人材不足のこともあり、不法滞在者だとわかっていても働かせてしまうケースが増えてきているようです。

不法就労に関するよくある誤解

不法就労に関してよくある誤解というのが、以下の2点です。

・違法に働いた外国人だけでなく、働かせた雇用主(あるいは働くよう指示した監督的立場の従業員)も罪に問われる可能性がある

・他社(派遣会社)から外国人を受け入れる、派遣先企業も不法就労で処罰される可能性がある

 

不法就労をした外国人だけでなく、働かせた側の人間が処罰される可能性については先ほどご説明しました。

今回、注目したいのが2点目についてです。

 

多くの方が、外国人派遣社員が不法就労をした場合、処罰されるのは「外国人本人」と「外国人の雇用主である派遣元会社」であると考えていらっしゃいます。

しかし、実は外国人本人とは雇用関係にない「派遣先会社」も処罰対象となる可能性があるのです。

つまり派遣会社としては、自社が処罰の対象となるだけでなく、取引先である派遣先会社にまで迷惑をかけてしまう恐れがあるのです。

 

派遣先会社とのトラブルを生まないためにも、外国人スタッフを派遣する場合は、特に慎重に在留期間や保有している在留資格のチェックをしなくてはなりません。

外国人を派遣するときに注意すべきポイント

外国人を派遣社員として他社に派遣するときに重要なのは、

外国人が持つ在留資格が、派遣先での業務に従事できるものである」ということです。

ここでよく間違えてしまいがちですが、在留資格該当性(外国人が行う活動が、本人が保持する在留資格で許可された活動に当てはまること)が必要なのは「派遣元での業務内容」ではありません。

派遣先で従事する業務内容」への該当性が必要なのです。

 

つまり、外国人を雇用する派遣会社としては、

・派遣先で外国人が従事する仕事内容と、必要な在留資格を照らし合わせる

・派遣先で必要な在留資格を確認し、入国管理局へ申請を行う

の2点に注意しなくてはならないのです。

派遣先で従事する業務と 外国人が有する在留資格の照らし合わせ

外国人を他社へ派遣する場合、当然派遣元企業が必要な在留資格を確認・申請しておく必要があります。

その申請を行う前に、派遣先企業と入念に話し合い、外国人がどのような業務に従事する予定であるかを把握しておかなくてはならないのです。

もちろん、派遣先企業も、当該業務に従事するにあたってどのような在留資格が必要かをチェックするかと思います。

しかし、基本的には派遣先企業が事前にできることは限られています。

労働者派遣事業制度の特性上、派遣元会社が派遣先会社に対して提供できる派遣スタッフの個人情報は業務遂行能力に関するもののみとなっているからです。

そのなかには、派遣スタッフが保持する在留資格などは含まれていません。

 

派遣先としては、派遣スタッフに直接在留カードなどのチェックをすることはできないのです。(本人の同意を得て、保管や使用の目的を示した場合はこの限りではありません。)

 

派遣先企業が細かいチェックを行えない以上、派遣元企業が念入りなチェックを行わなくてはなりません。

万が一チェックが不十分であったことが原因で、派遣先が外国人の保有する在留資格では認められない業務に従事させた場合は、外国人本人が不法就労罪に問われるだけでなく、派遣元企業・派遣先企業も不法就労助長罪に問われる可能性があるのです。

取引先に迷惑をかけないためにも、事前の入念な準備が必要となってきます。

必要な在留資格を 正しく入国管理局へ申請する

外国人が国内で就労するために在留資格の申請をした場合、入国管理局は「在留資格該当性」について厳しく審査を行います。

この在留資格該当性とは、外国人が保有している在留資格で許可された活動と、外国人がこれから行おうとしている活動が合致するかどうかを指します。

重要なのは、外国人が派遣スタッフとして就労する場合、在留資格該当性を審査されるのは、派遣先企業での業務内容が基準となることです。

 

よく勘違いをされるのが、外国人派遣スタッフは派遣元企業と雇用関係を結んでいるのだから、在留資格該当性は「在留資格と派遣元企業の業務内容」の関連性を見て審査されるだろうというものです。

しかし、実際は在留資格該当性は「在留資格と派遣先企業での業務内容」の関連性を見て審査されます。

 

万が一、申請時に記載した業務内容と、実際に従事する業務内容が異なっていた場合、一度付与された在留資格が取り消される可能性があります。

また、申請時に記載した派遣予定先と、実際に派遣された企業が異なっていた場合も同様に、在留資格取り消しの恐れがあります。

 

派遣元企業が派遣スタッフの在留資格を申請するのであれば、スタッフが派遣先で従事する業務を正しく理解し、必要な在留資格を確認した上で申請する必要があるのです。

外国人労務でお困りなら弊事務所へご相談を

外国人を雇用して他社へと派遣している企業様の場合、ただ自社で外国人を雇用している企業よりも、入管法への深い理解が必要となります。

しかし、入管法は非常に複雑で、弁護士であっても知識や実務経験がある者は少ないのです。

よって、いつも懇意にしている弁護士に外国人労務について相談しても、満足できる回答が返って来ない場合があります。

 

そんなときは、外国人労務の経験豊富な弁護士に相談することをおすすめします。

弊事務所の外国人労務サービスは、既に他事務所の弁護士と取引をされている企業様でも、セカンドオピニオンとしてご活用いただけます。

使用者様側からのご相談は初回無料でお受け付けしております。どうぞお気軽にご連絡ください。

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